「気分の波が激しくて生活が辛い…」「家族が双極性障害と診断されたけど、どう接すればいいの?」そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、精神科6年・一般科3年、合計9年のキャリアを持つ現役男性看護師「やすらぎ」が、双極性障害の症状・種類・日常生活の工夫をわかりやすく解説します。この記事を読めば、双極性障害への理解が深まり、本人も家族も楽になるヒントが見つかります。
双極性障害とはどんな病気か
「双極症」という疾患名について
この記事を読む前に、まず疾患名についてお伝えします。
以下をご覧ください。
疾患名の変遷
躁うつ病
↓(1990年代〜)
双極性障害
↓(2023年〜)
双極症(現在の正式名称)
✅ ポイント 2023年に日本うつ病学会のガイドラインが改訂され、正式名称が「双極性障害」から**「双極症」**に変更されました。ただし現場や一般的な会話では「双極性障害」という言葉もまだ広く使われています。この記事では両方の言葉を使いながら解説します。
「双極性障害の症状」を理解する前に、まず病気の基本を知っておきましょう。精神科の現場で働いていると、双極性障害を「ただの気分屋」と誤解されているケースをよく見かけます。
以下をご覧ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 別名 | 躁うつ病 |
| 特徴 | 躁状態とうつ状態を繰り返す |
| 原因 | 脳の神経伝達物質のバランスの乱れ |
| 治療 | 気分安定薬・生活リズムの調整 |
| 有病率 | 約100人に1人(厚生労働省より) |
✅ ポイント 双極性障害は「気の持ちよう」で治る病気ではありません。脳の機能に関わる病気であり、適切な治療が必要です。
双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違い
双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。
| Ⅰ型 | Ⅱ型 | |
|---|---|---|
| 躁状態 | 重い(入院が必要なことも) | 軽い(軽躁状態) |
| うつ状態 | あり | より長く続きやすい |
| 日常生活 | 大きく支障が出る | 比較的保てる場合も |
双極性障害の躁状態の症状
双極性障害の症状のうち、躁状態では以下のような変化が現れます。
現場で患者さんやご家族から「別人みたいになった」という言葉をよく聞きます。
以下をご覧ください。
躁状態の主な症状
・眠らなくても元気でいられる
・気分が異常に高揚している
・次々とアイデアが浮かんで止まらない
・お金を大量に使ってしまう
・大きな計画を立て次々と実行する
・攻撃的・怒りっぽくなる
・性的に活発になる
⚠️ 注意 躁状態のとき本人は「調子がいい」と感じているため、病気だと気づきにくいです。この時期に高額な買い物や重大な決断をしないよう、家族のサポートが重要です。
躁状態のときの家族の対応
- 大きな契約・買い物は一人でさせない
- 否定せず落ち着いて話す
- 早めに主治医に連絡する
双極性障害のうつ状態の症状
双極性障害のうつ状態は、一般的なうつ病と似た症状が現れます。ただし双極性障害のうつ状態には特有の傾向があります。
以下をご覧ください。
うつ状態の主な症状
・強い倦怠感・疲労感
・何もやる気が起きない
・過眠(寝すぎてしまう)
・食欲の変化(増加または減少)
・集中力の低下
・自己否定・罪悪感
・死にたいという気持ちが出ることも
⚠️ 注意 うつ状態のときに「頑張れ」「気合いを出して」という言葉は逆効果です。第3記事「うつ病の家族への接し方」も合わせてご覧ください。
うつ状態と躁状態の見分け方
| 躁状態 | うつ状態 | |
|---|---|---|
| 睡眠 | 短くても平気 | 寝すぎる・眠れない |
| 行動 | 活発・衝動的 | 動けない・引きこもる |
| 気分 | 高揚・攻撃的 | 落ち込み・無気力 |
| 食欲 | 変化あり | 増加または減少 |
双極性障害と日常生活の工夫
双極性障害の症状と上手に付き合いながら生活するために、現場で効果的だと感じた工夫をお伝えします。
以下をご覧ください。
日常生活の工夫5つ
STEP1 規則正しい睡眠リズムを守る
↓
STEP2 ストレスの原因を減らす
↓
STEP3 気分の波を記録する(気分日記)
↓
STEP4 薬を自己判断でやめない
↓
STEP5 調子が悪くなったら早めに受診する
✅ ポイント 「気分日記」は双極性障害の管理にとても有効です。毎日の気分・睡眠時間・活動量を記録することで、躁状態・うつ状態のサインに早く気づけます。スマートフォンのメモでも十分です。
家族ができるサポート
- 生活リズムを一緒に整える
- 気分の波を一緒に記録する
- 調子がいいときも無理をさせない
- 服薬を見守る
まとめ:双極性障害の症状を理解して上手に付き合おう
双極性障害の症状は躁状態とうつ状態を繰り返すものです。本人も家族も大変ですが、正しい知識と適切な治療・生活の工夫で安定した生活を送ることは十分可能です。
「治らない病気」ではありません。上手に付き合っていく病気です。焦らず、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
何か不安なことがあればお問い合わせページからご相談ください😊
参考:日本うつ病学会「双極症とつきあうために」
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
参考:MSDマニュアル家庭版「双極性障害」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/気分障害/双極性障害

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